2021/11/2

肘内障の整復

 
肘内障(ちゅうないしょう)とは肘の関節が亜脱臼した状態で、いわゆる「子供の肘が抜けた!」といわれる症状です。生後数ヶ月から5歳くらいまでのお子さんで、特に1歳から3歳の幼児に最も多く起こります。小児の関節は靭帯や骨が柔軟性に富んでいるために、肘の輪状靭帯という靭帯が橈骨頭が亜脱臼してしまうことで起こります。
 
 
典型的なケースは、親御さんがお子さんと手を繋いで歩いていて、お子さんが転びそうになるのをとっさに手を引っ張り上げた際、急にお子さんが泣き出して腕を上げようとしなくなったり、手を使わなくなった。というパターンが最も多い肘内障のきっかけになります。また、お子さんの着替えの最中に袖を通すため手を強く引っ張ってしまって起こるケース、まだ歩くことのできない乳児が寝返りをうった際、腕が自分の体の下敷きになり抜けてしまった、というケースもあります。

・突然泣き出す

・痛めた方の腕を動かさなくなる

・痛めた方の腕をだらりと垂らしている

・痛めた方の腕や手を触ろうとすると嫌がる

肘内障はまだはっきりと喋ることのできない年齢のお子さんのケガですので、お子さんが急に泣き出したり、腕を使わなくなった経緯を親御さんに確認します。はっきりと手や腕を引っ張るような刺激が加わって受傷したのであれば肘内障を疑います。

肘内障は整復処置することで、すぐに肘も曲がるようになり、腕を捻るような動作もできるようになります。その後、腕を固定したり湿布などの処置も特別必要ありません。お子さんによってしばらく腕を使いたがらないお子さんもいますが、普段遊んでいるおもちゃを渡してみたりして様子を観察しているうちに、いつも通り使うようになります。

肘内障は一度起こると繰り返すことが多いですが、6歳くらいになるとお子さんの成長とともに肘の靭帯がしっかりしてくるのでほとんど再発しづらくなりますのでご安心ください。治った後もお子さんと手を繋ぐ時は強く引っ張らないように注意してください。

肘内障の整復

 

ひがし野整骨院