捻挫・打撲・肉離れ

 

 足関節捻挫

 
 
 足関節捻挫は日常生活やスポーツ等で発生することが多い靱帯の損傷です。足関節は構造上外側と比べて内側の方向によく動く為内側に捻ることが多いです。

靭帯は程度にもよりますが放っておいても靭帯は自然と修復します。しかし、適切な処置をしなければ骨の位置がズレた状態で靭帯が伸びたまま修復されてしまい捻挫を再発しやすくなってしまいます。それを予防する為にも適切な位置で固定をし靭帯が元の状態で修復される事が重要になります。

 外くるぶし付近に痛みや腫れが出ることが多く、時間が経つと外くるぶしの下に内出血が出る場合があります。足を内側にひねると痛みが強くなり、痛みの程度によって歩けなくなる事もあります。しかし、痛みはあるが歩けるからといって捻挫をしていないとは限らないので適切な処置が必要になってきます。
 
 

 打撲

 
 
打撲とは、何らかの衝撃によって身体の一部に起こる損傷をいいます。皮膚やその下の軟部組織が損傷を受けるため、皮下出血や腫れ、炎症がおこります。
打撲が起こりやすい状況は、転倒した時、スポーツでぶつかった時、物にぶつかった時などです。また、打撲は身体のどこにでも起こる可能性があり、受傷したときの対処法も部位によって違います。
 
 

 肉離れ

 
 
肉離れは、スポーツ外傷の一つで筋肉が部分断裂または完全断裂することをいいます。下肢の筋肉に起こることが多く、急なダッシュやジャンプをした時に発症しやすい筋肉の断裂です。部分的に断裂することが多いですが、まれに筋肉が完全に断裂してしまうこともあります。

例えばダッシュするときにハムストリングス(太ももの裏の筋肉)はギュッと収縮しますが、ここから走り出して膝を伸ばす動きに切り替わると、収縮している筋肉は無理やり引き伸ばされる状態になります。この張力の差が肉離れを引き起こします。

肉離れが起きやすい部位として、ハムストリングスや大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)に起こることが多いです。サッカーやハードルでは内転筋(太ももの内側の筋肉)にもよくみられます。また希ではありますが上肢(腕)や腹筋、胸筋にも起こることがあります。

 

 RICE処置(対処法)

 
受傷した際に重要な事はRICE処置です。RICE処置とはRest(安静)Icing(冷却)Compression(圧迫)Elevation(挙上)の4つの頭文字を取った処置です。

Rest:患部を動かさないように添え木や固定をして安静にする事です。無理に動かしてしまうと悪化してしまう可能性があります。

Icing:氷などを患部に当てて冷やすことにより毛細血管が収縮し、腫れや内出血を抑えてくれます。長時間当てていると凍傷の可能性もある為15〜20分を目安に患部を冷やしましょう。

Compression:圧迫という意味で、包帯などで圧迫することにより出血を最小限に止めることが目的です。注意点は包帯をキツくしめてしまうと血が行き渡らなくなり循環障害が起こることです。圧迫をしている場所よりも先にしびれが出たり色に変化がある場合はすぐにやめましょう。

Elevation:患部を心臓よりも高い位置にすることで心臓に血が戻りやすくなり腫れにくくなります。睡眠時には下にクッションなどを入れて高い位置をキープすることで腫れが早く収まりやすくなります。

RICE処置を適切に行うと痛みが軽減され治りも早くなるためとても重要な対処法です。